Wakanaが歩んだ「夢の大地」 12/12福岡市民会館

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※以下のライブレポートは、極力ツアー全体のネタバレにならないよう、「この公演のみで起きるであろう」部分のみ書く方針でいます。が、感想を記す都合上、どうしても2曲ほど、セットリストのネタバレになってしまう部分があります。そのあたりをご了承の上、お読みいただければ幸いです。

Wakana、歴史ある伝説の舞台への凱旋

福岡市・九州最大の繁華街、天神から10分ほど歩き、枯れ葉で覆われた公園の向こうに、その建物はあった。入場を待つ長蛇の列の頭の上にそびえる、飾り気のないモノトーンの箱。「ホール」ではなく「会館」の名がしっくりくる、福岡市民会館だ。
建てられたのは1963年というから、もう52年もの間、市民に音楽や演劇、バレエなど、舞台芸術を提供する使命を果たし続けている。

福岡は歌謡曲、ロック・ミュージシャンを多数輩出していることで有名な地だ。
小柳ルミ子、山本リンダ、郷ひろみ、チューリップ、井上陽水、甲斐バンド、ARB、チャゲ&飛鳥、海援隊、松田聖子、長渕剛、チェッカーズ、高橋真梨子、徳永英明、浜崎あゆみ、氷川きよし、広瀬香美、椎名林檎、MISIA…。蒼々たる面々がこの福岡で音楽に目覚め、夢を見、学び、旅立ち、そしておそらく、この福岡市民会館で故郷への凱旋公演をおこなった。
2015年12月12日。これからKalafinaのWakana(東京生まれ・福岡育ち)も、その凱旋公演アーティストの一人として、おそらく彼女自身が何度も通ったであろう、歴史ある舞台に立つ。

年代物の会場らしく、狭いつくりのロビーでは入場客がごった返していた。
客層は、若い男性と女性が6:4ぐらいか。「ヒストリア」で知ったと思われる高齢層も見かけるが、Hikaruの富山公演ほど「地元出身者の凱旋公演よ!」という空気はない。「Kalafinaを楽しむぜ!」という、普通の期待の空気か。

ホールに入ると、ワンフロアに1770人を収める巨大な空間が広がっていた。
座ってみると、イスは正直言って狭い。なるほど1770人をワンフロアに収めるということはこういうことか。大柄な男性客は、窮屈そうに座っている。

開演直前、会場全体を見渡すと、ひとつも空席が見当たらないほどの完売状態。しかもぎゅうぎゅう詰めなので、まるで巨大なライブハウスのようだ。数限りないミュージシャンを育む使命を担ってきた会場は、公共施設といえども、熱い。

絶好調の女神ボイスと困り眉

壮麗なビジュアルで魅せるオープニング曲。まだ3人の姿が見えないうちからの歌い出し、Wakanaの声が伸びやかに会場に響くや、観客を瞬時にKalafinaの世界に引き込んでいく。
新たなKalafina像をアピールする2曲目、そして一転し「ザ・Kalafina」な3曲目。Wakanaのボーカルはとても調子よさそうだ。

2~3年前までWakanaは冒頭数曲、声の調子が乗らないことが多く、“スロー・スターター”と呼ばれたこともあったが、2014年の短期ツアーの頃からすっかり変わって安定している。最初から無理矢理声を出す、ということでは決してなく、なめらかでありながら圧力のある歌声を、余裕を持ってコントロールすることができるようになった、という印象だ。
彼女の歌声が安定すると、ライブ全体が安定する。きっとこのライブは良いライブになる。

ところが3曲終えた最初のMCの表情は、ほほえましくもいつものWakanaだった。笑顔の中に緊張が隠せない。彼女のチャームポイントでもある、困り眉のWakanaちゃんだ。

W「育ったふるさとに、久しぶりに戻ってくることができました!Wakanaです!」
万雷の拍手と、野太い若者の「ワカアアナアアアアアッ-!」の大声援。
Hikaruの富山凱旋は、まるで親戚一同やご近所さんが温かく「おかえり、Hikaruちゃん!」と迎えるイメージだったが、こちら福岡は、若い友人一同が「よおWakana!待ってました!」という、ちょっとラフな、でも親しみたっぷりのイメージだ。

富山同様、今日は自分は脇役、という感じでコンパクトに挨拶を終えるKeikoを受け、Hikaruが会場をぐる~っと見渡す恒例ムーブメント。とはいえ、見上げる上層階があるわけでもなく、ひと目で見えてしまう巨大ワンフロアにどう語りかけるかと思ったら、
H「私はお客さん全員、ガン見しますからね~!目が合ったらそらさないように!一番後ろの方も見てますよ!照明つきますか?(最後列に照明がつき、手を振る観客)」と、最後列まで観客を巻き込んでいく。

三者三様でありながら、いつもの、チームワークばっちりのKalafina。福岡公演は、こうして始まった。

「プラネタリウムの空」とWakanaの優しさ

続く3曲を終えて、2回目のMC。次の曲紹介を任されたWakanaは、その歌のなかの「プラネタリウムの空」という歌詞のあたりの一連が好きだと語り…
W「自分が育ったところは田舎の方だから星がきれい。」
H「なるほど」
W「Hikaruのところも星がきれいだよね。」
H「カントリーだから(笑)」
W「カントリークラブだから(笑)」
なんとも妙な言葉のラリーを、Keikoが首を左右に振りながら目で追う。
Wakana、話を戻して…
W「星は昼間は見えないけど、きっと輝いています。闇の中でも光は輝いているんですよ。」
そして歌は始まった。
「むすんでひらく」。

♪君と僕が出会うことが
夢見ていた未来の全てと思っていた

重ねた指と指が透き通るから
僕らはこころを結んだ
君が泣いていたのはやわらかい過去
消えない繋がりの音楽
一人じゃないと初めて知った
瞳を開いた♪

この曲について梶浦由記は自身のツイッターで
「分かり合うのは難しいけど、あ、今ふと心が繋がった、という瞬間って(気のせい上等)確かにあって、そういう瞬間があって初めて、人は心をオープンにする強さを持てるのかもしれないなって。」(urakaji@Fjukatsu 2015年9月25日)とつぶやいている。

心をオープンにする…これはWakanaにとっても重要なキーワードだ。
KeikoはWakanaについてこう語っている。
「Wakanaは、Kalafinaとして、初めましての場に向き合う時にまず壁を取っ払ってくれる存在です。しゃべってない時ってないよね!?って思うくらいずっとなにか面白いことを話してるんですけど、それってWakanaの優しさであり、思いやりなんですよね。人の気持ちや場の空気を察して雰囲気を盛り上げて明るくしようって、とても努力して意識的にやってくれてるんです。」(「別冊カドカワ 総力特集 Kalafina (ムック)」より)

Wakana「心を開いているというか、人ってそんなに簡単に他人に見せられない部分がたくさんあるので、逆に入り込まないように(自分を)出しているんです。私はあまり他人に入り込まないようにしています。ちょっと言葉は軽いかもしれませんが、あえて自分自身を出しているのかもしれないですね。」(「Kalafina Record」より)

人を気遣い、人の内面に踏み込まぬよう。でも自分を出すことで場を明るくし、人との繋がりを築こうとする。優しさと責任感、それがWakanaの根底に流れている。

♪プラネタリウムの空
暗闇を待つ
ツギハギの壁を晒して
閉じ込められた場所で初めて光る
ぼくたちを動かすダイナモ
息をひそめた夢のかたまり
むすんでひらくよ♪

梶浦「プラネタリウム……の下りは、わかなちゃん歌詞が好きだったみたいで、仮歌の時から激ウマだったw。歌ってもらうとすぐ分かるんだよね。『あ。君ここの歌詞好きでしょ』って。」(urakaji@Fjukatsu 2015年9月25日)

「しっかり歌えたよ!どう?」と言わんばかりの、いわゆるドヤ顔のWakana。

「星は昼間は見えないけど、きっと輝いています。闇の中でも光は輝いているんですよ。」

…苦しい中でも、希望の光はどこかにある。先が見えない中でも、誰かのための光になりたい。そんなまっすぐな思いが、会場にあふれんばかりに響いた。

 

お待ちかね、KeikoとWakana劇場

ライブはやがて終盤、定番の盛り上がり曲の連続だ。
2週前にひと足先に故郷への凱旋公演を終えたHikaruが、まるでリミッターをはずしたかのように、歌も動きものびのびとしている。
福岡市民会館のステージは異様に低く、しかも最前列の客が手を伸ばせば、3人に届きそうな距離。躊躇なく客席に近づき、目をしっかりと合わせる3人によって、まるで巨大ライブハウスのような一体感が炸裂した。

会場全体がまるで大きな深呼吸をしたかのような満足感とともに、本編ラスト前のMCを迎える。
オープニングは困り眉で始まったWakanaの表情は、ドヤ顔と笑顔を経て、上気した感無量顔に変わっている。晴れ晴れとした顔だが、今にも涙がこぼれそうだ。

Keiko「いやー、暖かいですねー、故郷というのは。」
Wakana「暖かいですねー」
K「暖かいですねー」
W「暖かいですねー」
K「………感極まってる?www」
W「え?あ、いや(ジタバタ)」
Keikoの不意打ちに、うろたえるWakana。会場は爆笑。
涙・涙の場面になりかけたのを、笑顔に変えてしまった。

しばし、KeikoのMC。富山・福岡と凱旋ライブが続いたことで、ふるさとの良さを感じた、とちょっと長めに語るKeiko。
少し間を開けたかと思うと…、
K「…もうしゃべれるかな?Wakanaちゃん?」と再びの不意打ちに、会場は再び爆笑。もう優しいんだか、いじってるんだか。
困り眉で笑いながら、観念したのかMCの態勢に入るWakana。

「少しでもしゃべると、感極まっちゃって…。(すみません、肝心の挨拶なのに手帳を取り落とし、メモが取れてません<(_ _)>)こんな素敵なホールで歌うことができて、皆さんのおかげです!」
万雷の拍手と声援。ふと気がつけば前方ブロックは、直前の盛り上がり曲のスタンディングのまま、拍手を送っている。(私自身、前方ブロックだったので、後方の状況は不明です。)
さらに、ゆったり壮大な本編ラスト曲も、異例のスタンディングのまま突入。なだれ込むようにスタンディング・オベーションで、本編が終了した。

Kalafinaが苦痛だった日々

今日、Wakanaが福岡市民会館の伝統にその名を刻むことができた。それは言うまでもなくKalafinaを続けてきたからだ。しかしこの道のりは、決して順風満帆ではなかった。

Wakana「小学校の卒業式で書いた将来の夢は『歌える漫画家』。よく母と一緒に劇団四季を観に行っていたので、その影響でオペラ歌手になりたいと思っていたんです。でも、絵を描くこともすごく好きだったので、漫画家にもなりたいと思ってたんですよ。それで『オペラ歌手兼漫画家』が夢でした(笑)」別冊カドカワ 総力特集 Kalafina (ムック)

ピアノ教師の母を持ち、父も音楽好きで、小学校から帰ると50年代から70年代の洋楽が流れているような家庭。小学校から少年少女合唱団。中2から声楽。高校2年で音楽スクール中心の生活にしたいと高校を中退し、R&B系の歌手と志す。…音楽の道をひたすらに歩み続けた、福岡での10代。

Wakana「私には歌しかない、何をしてもあまり続かなかったけど歌うことは続けられた。自分にできることはそれだけだ、と思っていましたから。
とにかく、漠然とした自信があったみたいです。だって私、当時受けたソニーのオーディションで、カメラに向かって「絶対受かります!受からないとみなさん後悔しますよ!」って言ったんですよ。たぶん映像もどこかに残っていると思います。今考えると、若い時って本当に恐ろしい(笑)」
別冊カドカワ 総力特集 Kalafina (ムック)

しかしその自信は、あるオーディションに合格し、20歳で東京に出てきてから次第に失われていった。
東京で出会う、才能豊かでキラキラ輝いている同年代の女の子たち。なかなか決まらないデビュー。焦りの先でようやくKalafinaで本格デビューし、さらにライブ活動をやっていく、という喜びを得たのもつかの間、彼女は最大の壁に突き当たる。

「まず、ライブを始めたとき。『Seventh Heaven』と『Lacrimosa』を同時発売したときのクローズド・ライブだったんですけど、(中略)それまではレコーディングだけの歌手だったけど、これからはお客さんの前で歌って、動いて、それを魅せていかなければいけない。(中略)私は人前に出ることが苦手なんだと言うことが、そのときのライブですごくよくわかりました。ものすごく緊張するし、混乱するし。」Kalafina Record

自分の人生はこれしかない、と信じて邁進してきたことが、その夢が叶った時に、自分は実はそれが苦手だったのだ、と気づいてしまう。こんな残酷なことがあろうか。
Wakanaはその後、Kalafinaの活動が順調に進むのに逆行するように、誰にも言えない不安をふくらませていった。

「私、この世界に向いてない、と思ったんです。
この仕事に向いてない、と思ったんです。「私、みんなが求めることができない!どうしよう…」という状態になったんです。」
−そのとき「できない」と思ったのは、ライブで歌うことなんですか?
「それに尽きます。怖いんです。でも、それは…私の試練、生まれてきた意味。それを克服していくことがステップになると思ってます。でも、自分が納得いかないんです。自分自身が満足しないと他人には見せられない、とみんな言うと思いますけど、本当にその通り。自分自身の目が自分を客観的に見て、「はい、ダメ」と言うんです。だから緊張するんです。」
Kalafina Record

自分が好きなこと、自分ができることだから、それを夢として突き進む。それを信じてきた少女は、自分を見てくれる人、自分に期待してくれる人に対して、自分が応えられていないということに気づき、苦しんだ。
世間一般の人以上に、人の気持ちを気遣うということを当然のこととして生きてきた彼女だ。優しさと責任感に満ちた繊細な人柄であるがゆえに、使命を果たせない自分がスポットライトを浴びる場にいることを苦痛と感じ、彼女はKalafinaを辞めようと思った。

Wakanaが背負った使命

そんなWakanaを、最初に精神面でKalafinaに留めたのは、2人の仲間だった。
「すっごいつらかったんで…本当に辞めようと思って。去年の夏、その話をメンバーにしたんです、そうしたらみんな泣いてくれて…。「話してくれてありがとう」って言ってくれて…。そのときに「よかった」と思ったんです。Kalafinaでいることが私の助けになるし、みんながいたから歌い続けることができたと改めて思うことができました。思いがけずに言えたんです。「私は緊張ばかりしていて、うまくいかなくて、辞めようと何回も思ったけど、今はみんながいるから大丈夫だよ。みんなありがとう」って…。だからこそKalafinaは辞められない、終われない。3人での夢は絶対に実現したい。ひとりのことは、いつでもいいや、って気持ちでやっています。」Kalafina Record

そして、プロとしてのスキルの気づき方に導いたのは、梶浦由記。
自分が何を求められているのか、その方向性に悩むWakanaに、梶浦は「ひかりふる」という難しい曲を通して、「Wakanaちゃん、『ひかりふる』を完璧にしてみようよ」「一つ一つをクリアにしていこう」と、ともに細かいところを詰めていった。その理解の過程を経て、Wakanaは自分の立ち位置が見えるようになったという。(別冊カドカワ 総力特集 Kalafina (ムック)

「梶浦さんに『期待してるよ』って言われるんです、これは本当に重いですよね。今、転んじゃいけないし、つまずいちゃいけない.期待されたり、叱咤されたりしながら進んでいくのがKalafinaのWakanaです。私はそう思っています。だから、ちょっとやそっとじゃくじけません。」Kalafina Record

そして今Wakanaは、Kalafinaの音楽に期待するすべての人々の期待に応える、という使命を迷うことなく背負い、歌い続けている。
この苦しみを経たからこそ、Wakanaは「オペラ歌手兼漫画家」という子どもの夢からR&B系の歌手を志すまで、みずからの夢を育み続けた故郷・福岡の伝説のステージに、今、立っている。

Wakanaが選んだ一文字

そしてアンコールへ。
恒例の2曲を終え、Hikaruの「旅は携えもの(by Keiko)」、つまりグッズ紹介コーナー。
今ツアーの課題は、地方ごとの方言での紹介だ。
最初に、「では始めます。…よか!?」と可愛いつかみはオッケー。
ところが、とりあえず語尾に「ばい」「たい」をつけるのに精一杯なHikaruに、本場指導役・Wakana掛け合いを開始。ところがそのWakanaも「入っているとですばい」等、ちょっと怪しくなっている。
H「…ありがとう、って何て言うの?」
W「…(ちょっと考え)…ありがとう。」(Keiko、観客爆笑)
どこまでも明るくしてくれる娘たちだ。

そして、ラスト曲前にKeikoのMC。

K「ツアーは、年内は今日で最後です。
私はメンバーのふるさとに行くのがとても好きなんですけど、WakanaもHikaruも、『ふるさとだからって特別にしたくない、どの土地のお客様とも同じようにしたい』って言うんです。そんな子たちなんですよ。」(観客拍手)
「でもやっぱり、ふるさとは特別で、そこでの彼女たちのいい顔を見るのが、私は好きなんです。そんな愛情を、2人から学んでいます。」

K「福岡での最後の曲は、『夢の大地』を選びました。
Wakanaちゃんに、『今年2015年を漢字一文字で表すと、なに?』と聞くと、『夢』って答えたから。
今年は私たちの夢でもある、日本武道館を叶えることができて、そこでまたWakanaちゃんの新しい夢が見つけられたんじゃないかと思います。」

K「この曲は、生まれてきたすべての人、すべての生命(いのち)、ひとつひとつを祝福してくれる暖かい曲で。
全ての人それぞれに使命があって、その使命に向かって真っ直ぐに進んでいいんだよって言ってくれる曲で。
いつも、私たちの夢を叶えさせてくれている皆さんに、感謝を込めて歌います。
…では、Wakanaちゃん、曲紹介よろしく。」

W「最後の曲、聴いてください。…『夢の大地』」

♪こんなに静かな
薄紅の夜明けに
まだ誰も知らない
憧れの歌が
高らかに始まる

僕らが行ける
限りある果てまで
遠ざかる未来を
懐かしく照らしてる♪

W「私はたぶん、35歳とか40歳ぐらいになってやっと自分の音楽をみつけることができるかもしれない、って思うんです。自分の音楽とは自分が好きな音楽ではなく、自分自身で作り上げることができて、自分自身の魅力を出すことができるような音楽。それを自分でわかるようになるのは、もっともっと先のこと。今、精一杯やることは、Kalafinaにとっても自分にとってもすごくいいことのはずだから、一生懸命やらなきゃな、という感じですね。」Kalafina Record

♪夜空の何処かにあるという
見えない星を目指し
逆巻く時の
彼方へと
僕らはいつでも
未来へ連なる
夢を急ぐ
踏み分けた荒野に
灯火を残して行く♪

W「以前ファンの方に、『Kalafinaがいたから、今の僕がいます』と言っていただいたことがあります。私はその時、その言葉に感動すると同時に、自分の弱さを恥じて涙が出ました。『ああ、求めてくださる方がいるんだ、もっと頑張らなきゃ!』と。いつも聴いて、応援してくださる皆さんに、感謝せずにはいられません。」別冊カドカワ 総力特集 Kalafina (ムック)

♪貴方が生まれた
その眩しい朝に
まだ誰も知らない
華やかな歌が
静かに始まった

何処まで行こう
この広い世界は
手を伸ばす遙かへ
まだ遠く続いている
夢の大地
空は蒼く
果てなく♪

Wakanaの目はいつの間にか真っ赤になっていた。
Keikoがまるでいたずらっ子のような笑顔で上手のWakanaに近づき、「え?なになに?」という彼女の肩に手を回し、センターへと導く。
バンド・メンバーも揃ったカーテン・コール。その中心に、Wakanaがいる。

マイクを通さず声は聞こえないがWakanaは真っ赤な目の困り眉で、しきりにKeikoに「いいの?いいの?」と問いかけているようだ。
笑顔で応えるKeiko。微笑みで見守るHikaruとバンド・メンバー。
「ありがとうございましたー!!!」

退場曲は、いつもの「未来」だ。

♪夢を叶えて
一人で探してた星の
同じ光を
君が見つめているだけで
いつもの夜が闇に染まる頃
走り出せるはず
一人じゃない心たちのように♪

バンド・メンバーが去った後、恒例の3人だけで、上手→下手→センターへの挨拶。
3人の並びで、自然に上手側に立とうとするWakanaをKeikoが「待て」と捕まえて、ひー、わー、けーの並びに引き戻す。もう動きがいちいち夫婦漫才www
上手でWakana、「また福岡に来るけん、待っとってねー!」

Keikoが例によって元気いっぱい、「競走だー!」とダッシュして下手へ。
Hikaru「もらい泣きしそーになったよ!Hikaruも福岡、好いとーよ!」
…まさか、グッズ紹介で使わなかった「Love」の博多弁を、ここで使うとは、さすがHikaruだ。

センターに戻ってKeiko、「福岡の皆さん、サイコーだったばいー!!!」

博多弁3連発を爽やかに残して、3人退場。Wakanaはふるさとの観客に、いつもより盛大な投げキッスをして、姿を消した。

Wakanaへの祝福と使命、そして夢

終演後のロビー。
満足そうな表情のお客さんでごった返すなか、楽屋入り口の近くに関係者のステッカーを身につけた、でもいわゆる業界関係者ではない人たちが、10人ほど集まっていた。
20代後半から30代前半ぐらいの男女。赤ん坊を抱えたお母さんも。
Wakana友人たちが、これから楽屋に祝福に行くのだろうか。

Wakanaはラジオなどあらゆるところで、幼なじみや友人の話をする。○○の店を始めた友人、赤ちゃんが生まれた友人などなど、学生時代の友人たちと、今も密接につながっていることが、うらやましいほど彼女の口を突いて出る。

仲よさそうに会話をしているそのグループを見ていると、大滝若菜という女の子は、は幼い頃に移り住んだここ福岡で、大勢の人々に心を開き、友と繋がり、影響を与え続けてきたのだろうな、という思いが浮かんだ。
個人的な「歌い続けるという夢」とはまた別の、この世に生命を得てきた何らかの使命を、彼女は果たしてきたんだな、と。

そしてこれからもWakanaは、使命を果たし続けるはずだ。
彼女の、そしてKalafinaの音楽に期待する人たちに応えるために。

「いくつになってもKalafinaを続けていきたいと思いますね。梶浦さんにも、同じように『ずっとKalafinaは続けていきたい』とおっしゃっていただいたことがあって、それは本当に幸せなことだと思います。
私は3人でいられるならいつまででもやりたいし、3人ならずっと続けられると思っています。それぐらい、Kalafinaを愛していますね」
別冊カドカワ 総力特集 Kalafina (ムック)

【123日本武道館、準備はいい!?チケットは!?宿泊の予約は!?双眼鏡は!?予習は!?】
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コメント

  1. 突然ですみません。台湾のアクマです。管理人様の文書をいくつ拝読させていただき、共感をいろいろ得ました。「わたくしはそう思いましたが、えっ?世の中にも同じ考え方を持っている方がいらっしゃるとは!」というところが、すごく光栄だと思います。此度は母を連れて、台湾遠征団と共に福岡公演に参加しましたが、自分はこれから、クリスマス(東京)・台湾公演(もちろん)・Final(東京)にも参加します。とこかで管理人様とお会いできないのでしょうか?「あっ、そうだ!私もそう思う!」という文章を書いた方に、お会いできたらいいなと思います。 因みに、世の中には様々な資料が有り、例えば「http://www.unknown24.net/bbrk/20031112」(BBRK 03-11-12)、「https://twitter.com/JMusic_Corner/status/224788978371526656」、「https://twitter.com/yurikokaida/status/455382148711583744」(貝田さんツイター)が有ります。日本人の認識は、「若菜」ですか?「若奈」ですか?あっ、はい。自分はワカナファンなのです。

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