ライブという名のsymphonia〜11/26和田山ジュピターホール〜

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※ネタバレありません

和田山遠征は突然に

今年のwith Stringsツアーは平日公演が多く、また土日公演は私自身休日出勤が多いため、今回は首都圏のみだな〜、と思っていた。
が、関東人にとって聞き慣れない「和田山」という地名に、ふと「どこだろう?」と調べてみたら、一気に気が変わった。

そうだ、遠征しよう。

中国山地の懐に抱かれた、キャパ800人の市民ホール。
東京→名阪→政令指定都市→県庁所在地→その周辺都市、とライブのバリエーションを広げてきたKalafinaが、山間部の町で音楽を奏でる。
これぞ、大先輩・谷村新司がアリス時代に経験した「ライブ年間300回」のあり方(そこまではいかない)であり、彼女たち自身もよく口にする「音楽の旅」だ!
これを目撃せずしてなんとする!

(本来Kalafinaが言う「音楽の旅」は、ライブにおいて楽曲と音色でさまざまな風景を紡ぎ出し、観客を旅へと誘う、の意であり、リアル「旅」ではないが、それはさておく。)

ジュピターホールは良い会場!

というわけで、東京から5時間強。
旧和田山町は兵庫県北部、但馬地方南部の中心地。
2005年に町村合併で朝来市(あさごし)となって、現在人口36000人。
JR山陰本線と播但線が交わる交通の要衝、とのことで山間部でありながら、街道沿いに市街地がかなり開けている印象。

会場のジュピターホールに入場してみると、会場の係りの人も、大都市の「○千人を捌くぜ!」というパワフルさよりも、市営組織として地元の人が優しく案内してくれる感じ。
お客さんの何割かも、おそらく地元の方々の「ヒストリア歌ってる人たちが来るらしいから行ってみようか」というご近所感があり、とてもほっこりする。

市民憲章と市の歌

市民憲章と市の歌

重要なのは会場だ。
コンパクトな敷地でありながら客席のかなり高低差が大きく、前の観客の頭でステージが見えにくい、ということが全くない、ストレスフリー。
この高低差、都会の大会場では不可能では?と思わせるレア感。
ホールのHPによると「ジュピター」の名は、モーツァルトの交響曲第41番の愛称「木星」に通じ、残響時間2秒、という会場らしい。(素人なので価値がよくわかってない。)
ほどよく音に囲まれる感のある聞こえやすさが、心地よい。

そうした会場での3人の歌い方も、「ハーモニー、ガッツリ響かせます!(キリッ)」ではなく、語りかけるような、優しく、暖かく、気持ちよく包み込まれるような歌声だった。

はじまりは、ひとりの情熱〜地方主催公演の生まれ方〜

今回のライブ、実は主催は「朝来市」だ。
ということは、Kalafinaの事務所やプロモーター側で選ぶ大都市の定番・鉄板のハコのように、「いつものようによろしくお願いします」という形では公演は決定していない。
公演側と朝来市の間に、これまでビジネスの接点がない(たぶん)からだ。
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では、地方の主催者(になりたい組織)が公演を開くためには、最初の接点はどうやって作るのか?
おそらく役所かホールの誰か(もしかするとKalafinaファン)が、「朝来の人たちにKalafinaを聴かせたい!」と願ったことから始まっていると思われる。

担当者「Kalafina…知ってます?呼べたらいいですよね。」
上司「今まで大都市ばかりじゃないか。来てくれる訳ないだろ?来てくれてもお客がここまで来てくれないだろ?」
担「でも、ヒストリアで聞いたことある市民も多いと思いますし。若いファンで遠征する人も多いみたいですよ。ダメ元で打診してみて良いですか?」
上司「んー、まあダメだと思うけど。聞くだけ聞いてみれば?」

みたいな会話があったかなかったか。
次に、担当者がドキドキ(かもしれない)しながら、Kalafinaの事務所に電話かメールで問い合わせる。
ここで初めて、接点の種がまかれる。

担当者「(諸々説明)…いかがでしょうか?難しいでしょうか?」
スペクラ「いや、アコースティックライブは編成も楽器も身軽ですし(除ピアノ)、舞台セットもシンプルなので、経費はそれほどありません(おそらく)ので、可能性はありますよ。」
担当者「!!!!!」
(だから想像ですって)

そんな(たぶん)ひとりの思いつきと情熱が、人と人との接点を生み、さまざまな人間関係が縁(えにし)でつながっていき、ようやく今回、和田山という土地とKalafinaが結びつき、公演が生まれた(と想像する)。

ライブという名のsymphonia

和田山だけではない。
Hikaruの故郷、富山で毎回主催をしている北日本新聞をはじめ、各地方の公演には、主催の人々、後援の人々、会場の人々と、Kalafinaとの間で無数の縁が生まれ、その先に私たち観客との縁も生まれ、その会場と、そこに集まった観客の前でしか生まれない音楽が響き出す。
それはまるで、ひとりひとりの想いが歌声となって重なり、ライブという巨大なハーモニーになっているかのようだ。

♪貴方が今日だけのコーラスを重ねて
symphonia of time
 ひとの想いが花咲き降り積もり
 僕らの世界を愛で満たしていく
聞かせて 貴方の調べ (♪symphonia)

訪れる先々での、それぞれのKalafinaの調べ。
Wakana、Keiko、Hikaruの3人と演奏メンバーたちが、毎回異なる状況で、どのような音楽を届けるのか。
そして遠征をする者としては、暖かい人と人のsymphoniaに誘われ、そこでしか生まれないKalafinaの歌声を聴き続けるのは、とても楽しい。

今夜、和田山ジュピターホールで体感したKalafinaは、この夜の和田山だけのもの。
オーチャードやオペラシティ、ザ・シンフォニーでだって、再現することはできない。

オーラス、スタンディングオベーションに囲まれて、マイクなしで発した「ありがとうございました!」は、そのまま会場に響きわたり、3人がすぐそばにいるかのように観客の私たちに届いた。
ホール公演で、こんなに最後の挨拶がはっきり聞こえたのは、初めてだ。

暖かい、素敵なライブをありがとう!
そんな御礼を、今回はじめてKalafinaの縁で結ばれた、朝来の関係者のみなさんに伝えたい。
そんな気持ちにさせてくれるのも、遠征ならではの魅力だ。

そして、音楽の旅は続く

そんな私が次に参戦するのは、東京オペラシティ・コンサートホール。
キャパ1600。
日本を代表する現代音楽家・武満徹の名を冠した「タケミツ メモリアル」の呼び名をもち、音響的に最も良いとされているシューボックスタイプで、天井は変形ピラミッド型、内装は振動体・共鳴体として優れている「天然木」を使用。現代の最新音響技術を用いて設計、とのこと。(HPより。とにかくすごいらしい。)

ここは、和田山とは異なる、オペラシティならではの「ハーモニー、ガッツリ響かせます!(キリッ)」なKalafinaを聴かせてくれるのではないか?
遠征…「音楽の旅」はまだまだ続く。

【123日本武道館、準備はいい!?宿泊の予約は!?双眼鏡は!?予習は!?】
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