あの日あの時、ヨコハマで(“9+ONE”ツアー 神奈川県民ホール ネタバレなしMC)

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「神奈川でワンマンライブをするのは、2009年の“progressive”の時が初めてなんですよね。」
前半のMCで、Hikaruが感慨深げに、口にした時。

「おかえりなさい!ヨコハマに!」
少なからぬファンが、心のなかでつぶやいた(と、私は勝手に想像していました)。

Kalafinaライブツアー“9+ONE”。
ツアーも中盤、7公演目。
5月7日(日)横浜市・神奈川県民ホール(大ホール)、キャパ約2500人SOLD OUT。
これまでの9年間を振り返り、そして新たな“ONE”を作り出すというタイトルのこのツアー。
会場がある「横浜」には、初期Kalafinaの重要な節目が詰まっています。

Memories:Kalafina in ヨコハマ 2008~2009


さかのぼれば、2008年5月6日「Revo&梶浦由記Presents Dream Port 2008」の2日目。
パシフィコ横浜国立大ホールでのオープニングアクトで、WakanaとKeikoがKalafinaとして首都圏で初披露され、それまでの「謎のユニット」ではなく、生身のボーカル2人が姿を見せました。

12月27日、「Yuki Kajiura LIVE vol.#3」(YOKOHAMA BLITZ)のオープニング・アクトに、今の3人編成で初出演。
その前のvol.#2(渋谷O-EAST)で、Mayaを含めた4人編成ですでにオープニングアクトを務めていましたが、その後3月の1st.アルバムの展開から逆算すると、このYOKOHAMA BLITZの時はすでに、Wakana、Keiko、Hikaruの3人=Kalafinaと固定されていたと見るべきでしょう。

2009年6月、“storia”が「歴史秘話ヒストリア」の「ヨコハマ・ドリーム〜よみがえる明治ロマンの港町〜」の回のエンディングに、初めて&1度だけ使われます。(オープニング起用は3年半後の2013年1月~)

そして、YK LIVE vol.#3からちょうど1年後の12月27日、場所は同じくYOKOHAMA BLITZ(キャパ1700人)で、今度はワンマンライブとして「Kalafina LIVE 2009“progressive”」が開催されました。
続いて年明けに“progressive+”というタイトルで、初めての「東・名・阪」のライブツアーを開始します。

伝説的な転換点ライブ“progressive”

この“progressive”がどんなライブだったか、そのディテールは、さまざまなブログなどに書かれています。
◆Kalafina オフィシャルブログ 
2009年12月28日:Hikaru「ありがとうございました!!」
   12月31日:Keiko「2009年ありがとうございました」
◆IT media Games アーカイブ「Kalafina――大躍進した2009年の集大成を魅せつけたLIVE 2009 “progressive”」
パワフルで、ガムシャラで、熱く、それでいてしっかりと基本のコーラスに取り組んだ、まさに現在につながるKalafinaの原点、というべきライブでした。

このライブに当時のファンは、泣いて喜んだ…と書いても、当時を知らないファンの方にはピンとこないかも知れません。
実はこのライブの前のKalafinaは、正直、決して今のような「ライブがスゴイ!」と絶賛されるアーティストではなかったのです。

2009年末、Kalafinaはヨコハマから歩み始めた

「Kick Offでのライブアクト(注:2009年3月8日・本格ライブ活動開始宣言のミニライブ)は、観客の前で披露するには心もとないライブとなってしまいました。(中略)問題山積となった3人は歌とステージングを一生懸命に練習しながら、実際のステージに慣れてもらうためにライブハウス「morph-tokyo」でのライブも月1回行い、徹底的に“ステージング”を勉強してもらったんです。」(森康哲氏インタビュー「別冊カドカワ 総力特集Kalafina」p234)

修業の場・morph-tokyoでの6回に及ぶライブでは、梶浦さんが1度だけ「流しのキーボーディスト」としてアンコールに参加(直後のアニメ・ボストンの予行練習?)しましたが、かえってネット上で「梶浦さんが常時参加しないと、Kalafinaはダメだ」と書かれることもありました。
歌声は安定せず、音を外すことも少なくなく、ある時はトラブルでオケが何度も止まり、ステージにブーイングが浴びせられる事件も起きました。
もし今、イベントでオケが止まったら、おそらく彼女たちはニッコリ笑ってアカペラで歌うという、危機をスペシャルに転じさせるプロの技を見せるかもしれません。
でも当時は、悔しそうに唇を噛み、目に涙をためて立ち尽くすしかなかったようです。

そんな彼女たちの、苦心惨憺、修業の成果を明らかにする試金石が、YOKOHAMA BLITZ「Kalafina LIVE 2009“progressive”」だったのです。

「本人たちもスタッフも、ガムシャラに突っ走った一年だったように感じます。だからでしょうか、ひとつひとつのステージごとに成長を見せてくれたように思います。印象的だったのはこの年最後に行われた『Kalafina LIVE 2009“progressive”』(12/27)。YOKOHAMA BLITZの3人に、素直に“カッコいい”と思えましたから。」(森康哲氏インタビュー「別冊カドカワ 総力特集Kalafina」p234)

2009年12月27日、Kalafinaはこの夜を境に、本格的なライブ・アーティストとして歩み始めたと言っても過言ではないでしょう。

新たな想い出を加える次のステージへ

そして7年半後の今夜、同じく横浜の地のコンサートホールに立ったKeikoは、MCで感慨深げに語りました。

「Kalafinaにとって、『東・名・阪』のライブツアーを始められたのも、今はもうないんですけど、横浜BLITZというライブハウスでした。また改めて自分たちの原点に戻ることができて。何で覚えているかというと、皆さんと濃いい思い出を一緒に作ってるから、絶対に忘れないんですよね。だから今日集まってくださった皆さんとの、横浜の思い出を忘れないように。また横浜にひとつ旗を立てるように…。」

9年分の想いに今夜、新たな「ヨコハマの想い出」が加わりました。
そして“9+ONE”ツアーは、ファンと新たな想い出を作るため、後半の新たな地へと向かいます。

初めてKalafinaライブに参加する皆様にとって、それぞれの地が、いつまでも忘れられない「Kalafinaとの想い出の原点」にならんことを、心より祈っています。

おまけMC in ヨコハマ

Keiko「自分たちにとってアコースティックライブを初めてやったのは横浜ランドマークタワーのホールからで、そこからアコースティックライブの活動が生まれたということで、横浜の地はいろんな思い出があるんです。」

Wakana「横浜と言えば、私が大好きな小籠包(ショーロンポー)の町!会場へ車で移動の時、中華街を通ったんですが、『え、ちょっと止めてもらえますか?』と言いそうになりました。ところが会場に来たら、なんと!焼き小籠包と小籠包がお出迎え!!」(爆笑)
…というヨコハマトークもありました。

この記事のライブが収録されているソフト


《Red Moon(初回生産限定盤)(DVD付)》
特典DVDに、2009年12月27日YOKOHAMA BLITZの“progressive”と“光の旋律”ライブ映像収録。
いやもうまさに原点!
振り付けなどのムーブも決まっていない分、そしてコーラスもまだこなれていない分、ひたすら真っ直ぐ前を見つめ、取り憑かれたかのように、ただ懸命に歌うことのみで音楽を表現しようとする3人。
あまりに荒削りだけど、余計なものが一切ない、Kalainaの魅力の原石そのもの。
久しぶりに見て、「私はこれに泣いたんだよ!」と、ガチで感動してしまいました。
ちなみに、このYOKOHAMA BLITZからバイオリンの今野均さんが参戦。
“progressive”のソロパートは鳥肌モノです。
あと2曲、「初の(一般向け)ワンマン」とされている2009年8月26日・Shibuya O-EASTでの“Lacrimosa”“storia”の映像も収録。
こちらも貴重!


《Kalafina 5th Anniversary LIVE SELECTION 2009-2012》
DISC1の9曲目~12曲目“傷跡” “君が光に変えて行く” “interlude 01” “ARIA”が、2009年12月27日YOKOHAMA BLITZから。
DISC2の7曲目“sprinter ~acoustic ver.~”が、2011年12月24日・横浜ランドマークホールでのKalafina X’mas Premium Acoustic LIVE、つまりKeikoが語った初アコースティックライブから。
このアルバムじたい、クローズドでの初ワンマン2009年5月19日のShibuya O-WESTから始まり、O-EAST、YOKOHAMA BLITZ、渋谷公会堂、NHKホールへと、どんどん磨き上げられていくKalafinaのライブ史を時系列に並べた、まさに初期4年間のKalafinaヒストリーなわけで、初期名曲が勢揃いな上に、彼女たちの成長過程が聴いているだけで分かるという、必聴の名盤です。
特に“ARIA”は、Hikaruの代表曲と言えるくらいぴったりな曲ですが、さらに「絶唱」という表現が最もピッタリくるボーカルを聴かせてくれます。

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