みなさんのためだけを考えて~9th Anniversary LIVE 2days~

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<目次>
プロローグ
①オープニング~伝説に残る『空の境界』Ⅰ
1.恒例のO-EAST Anniversary シリーズとは?
2.まさかこの流れは…?
3.静寂と緊張…奇跡の連続5曲
②MC1~ファン涙!『空の境界』Ⅱ
1.9周年 3人それぞれの想い
2.動き出すステージ~今日のファンだからこそのセトリ
③MC2~Anniversaryクライマックス!
1.恒例!今年の抱負!
2.新曲「メルヒェン」披露!
3.ライブハウスバージョン、炸裂!
4.発表!“into the world”「メルヒェン」発売決定!
④熱気のアンコール~爆笑のグッズ紹介
1.盛り上がりがスゴすぎた2日目
2.これまた2日目が奇跡のグッズコーナー!
⑤アンコールⅡ「みなさんのためだけを…」~まさかのダブル…!?
1.「あなた」「君」のためのラスト曲
2.そしてKeikoが…
3.ファンとKalafinaが創ったダブルアンコール!

プロローグ

「今年は、みなさんのためだけを考えた1年にしたいと思ってます!」

2日目のアンコール終わり、退場する直前にKeikoは叫んだ。
みなさん=ファンのため「だけ」。
これまでの9年間、Kalafinaを聴き続け支え続けたファンへの、至上の感謝の言葉。
記憶する限り、ここまでの言葉をメンバーが発したのは初めてだ。

Kalafina 9th Anniversary LIVE 2017 は、Kalafinaとファンが奇跡的なまでの「ひとつ」になって創り上げた、幸福なライブだった。

①オープニング~伝説に残る『空の境界』Ⅰ

1.恒例のO-EAST Anniversary シリーズとは?

TSUTAYA(渋谷)O-EAST。
2009年8月に、Kalafinaが初の正式なワンマンライブ“storia”を開催したハコ。(5月19日のO-WESTはCD購入者限定ライブ)
そして2013年、5周年のデビュー曲発売記念日である1月23日に、この地でKalafina Anniversary LIVE 5th “oblivious”が開かれた。
それから4年。今のKalafinaにとって、この原点のライブハウスは手狭だが、それゆえに「ファンクラブ会員限定」という枠組みをかけることで、よりプライベートな、身内感覚あふれる濃ゆ~い公演となることで定評である。
武道館アーティストでありながら、オペラシティ、ザ・シンフォニーでも歌えるという極めて希有なユニットが、濃ゆ~いファンとともに祝う特別なパーティー。
それが、Kalafina Anniversary シリーズだ。

開演前の場内は、ぎっしり詰めかけたスタンディングのファンたち。
フロア上手側と、一段高くなった後方、そして2階上手に女性専用スペースが設けられ、身長差で前が見えにくい問題や痴漢問題に対応している。
みんなが少しでも楽しめるように配慮する、チーム梶浦恒例の対応だ。

2.まさかこの流れは…?

やがて流れてきたoverture。
実はこれが“Re/oblivious”の“finale”であり、これが今回のライブのテーマに関わる重要な伏線だったのだが、この時点で気づけるはずもない。
普段はバンドメンバーがぞろぞろと入り、そのあとKalafinaの3人が一緒に入ってくるのだが、今回はバンドメンバーもKalafinaも、ひとりずつ入ってきてはスポットライトを浴び挨拶する、という趣向。
Keikoが最近「ソロアーティストとして個性的なひとりひとり」という位置づけにこだわっているのが、ふと頭をよぎった。
3人の挨拶は単なるおじぎではなく、手を広げる、手を胸に当てる、足を引くなど、それぞれに全身を使って優雅さを強調。
2016年の“with Strings”シリーズや、「谷村新司リサイタル」「めざましクラシックス」で培った身のこなしが、ここに生きている。

そして今野均のバイオリンがリードし、徐々にバンドの音色が、HikaruとKeikoのハモリが重なっていくおなじみのイントロ、Kalafinaはじまりのうた“oblivious”だ。
デビュー当時は参加していなかったHikaruの、伸びやかなスキャット。
単なる「低音パート」という役割を超える、Keikoの圧倒的な存在感。
そして、神秘性に磨きをかけたうえに安定感を増したWakanaの女神ボイス。
時間の積み重ねに説得力を感じさせるデビュー曲アピールから、9年目Anniversaryは始まった。

拍手と歓声を受けて始まった2曲目。
加工されたスキャットが唄う“oblivious”の旋律に、続くKeikoの跳ねるような歌声。
♪夜明けへ急ぐ電車の窓にもたれて♪
まさかの、限定版CD“Re/oblivious”収録の“interlude01”。
普段のライブでは聞き慣れないマイナー曲も、身内パーティー的な場では、うれしいサプライズだ。

3.静寂と緊張…奇跡の連続5曲

♪君はどこへゆくの?♪
不安定な余韻が急にとぎれる感のある曲終わりに、観客は固唾を飲み、拍手をする間もなく、次の曲のピアノが奏でられ始める。
3曲目、「君が光に変えて行く」。
Keikoの暖かい歌声から始まり、Wakanaが壮大に歌い上げ終わり、ピアノが静かに曲を閉める。
一瞬の間にも拍手をする者もなく、4曲目はさらにまさかまさかの“interlude02”。
ここに至り、場内は「まさかまさかまさか、デビュー曲から『劇場版 空の境界』関連曲を順番にやるのでは?」という予感で、静かな緊張感が充満する。
このプレミアムなセトリを、一音たりとも聞き逃したくない。
そんな「拍手なし・声援なし」という緊張感は、5曲目「傷跡」まで続いた。
特に2日目は、本当にファンが全く音を立てず、静寂によって曲がつながれていき、そして「傷跡」をピアノが曲を締めるや…、
いや、最後のピアノの1音の余韻が完全に消え去るまでじーっと堪え、完全な静寂が訪れた刹那、緊張から解放されたような「オオオオオオオ!」というすさまじい大歓声が会場を満たした。

ここまでKalafinaの3人は、まったく移動なし。
スポットライトが当たる最初の立ち位置からほとんど動かず、上半身は歌にあわせた身振り程度。
背景は、飾り気のない四角い幾何学模様が並ぶだけで、映像効果もない。
照明も、地味と言っていいほどシンプルに徹したもの。
何もしないことによって音楽そのものをむき出しにする、自信がないとできない挑戦的な演出だ。

8年前のこの同じ会場で、このデビュー時期の曲を歌ったときは、まだ危なっかしいハーモニーで、バンドメンバーに支えられ、観客に保護者のように見守られていた3人。
それが今や、同じ曲を歌いながらも、飾り気を排したがゆえに生まれる緊張感に満ちた歌声で、観客に拍手や声援すらためらわせるまでに成長した。
それを理解したファンも曲間を沈黙をもって応え、最後の1音が終わるのを待って特大の歓呼をあげた。

Kalafinaライブ史上に残る、ファンと作り上げた究極の連続5曲。
その場に居合わせた私たちファンは、この奇跡の空間に立ち会えた喜びとともに、この体験を記憶し続けるだろう。

②MC1~ファン涙!『空の境界』Ⅱ

1.9周年 3人それぞれの想い

W「みなさんこんばんわ!Kalafinaです。9周年でーす!(大歓声!)」
(1日目)「10年目のカウントダウンが始まりました。みなさんに支えられてここまで来れたと思っております。」
(2日目)「9年前の今日、私たちは生まれました。(妙な表現に笑い声)いい話になるはずだったのにダメだったねwww」
「今日はKalafinaの音楽を最後まで楽しんでいってください!Wakanaでーす!」

K(1日目)「久々のライブハウス!O-EAST!しかもファンクラブ会員様限定ということで、濃ゆい時間を作りたいと思います!」
(2日目)「ライブハウスということで、皆さんの熱気が伝わってます!みなさんの目を見て、呼吸を感じながら歌わせていただきたいと思ってます!」「Keikoです!」

H(1日目)「Kalafina年初めライブじゃない?(歓声)みなさんと迎えるのは特別。今日も一番前から~~~2階まで見ていくから、目をそらさないでね!」
(2日目)「(目が潤んでる)今日は1月23日、特別な日。平日なのに、いろいろ予定をずらしたりして来ていただいたのかと思うと、涙が出ます。もう泣いちゃったけど。みなさんの顔見たら感動しちゃって。今日もみなさんと一緒に音楽を作っていきたいと思います。」「Hikaruです!」

K(2日目)「ここまで、私たちがデビューのきっかけとなった『劇場版 空の境界』から聞いてもらいましたけど、限定販売された『Re/oblivious』から普段やらない“interlude01””02”も、ファンクラブのみなさんだからこそ歌いたいなと思って、さらりと入れてみました。次は、私とわーちゃんが、ひーちゃんと出会った曲。」
H(2日目)「“ARIA”。『独唱』って意味なんですが。当時は全身全霊で歌ってて。あのころ考えていた『独唱』と、今感じている『独唱』では少し違っていて。『独り』っていうのは、独りじゃない時間を経験したからこそわかるわけで。そんな、今でしか歌えない“ARIA”、聞いてください。」
富山で独りで歌を目指していたHikaruが、初めてレコーディングした“ARIA”。
この時、初めて一緒にレコーディングしたWakanaとKeiko。
“ARIA”=『独唱』という名の曲が、彼女が独りでなくなった始まり、という、因縁めいた思いを感じさせる、しみじみしたMCだ。

2.動き出すステージ~今日のファンだからこそのセトリ

6曲目“ARIA”。
ここでHikaruがこれまでとキーを下げた歌い方をした、ということで、「あの繊細で壊れそうな限界域の高音が良かったのに」「もうHikaruにはあの高音を続けるのは無理なのでは?」とネットがざわついたが、私はライブ後のざわつきを見て「あ、言われてみれば」という鈍くさい気づき方だったので…。
ただ、梶浦さんの判断なしに勝手に変えるはずがない(1/22は梶浦さんも来場)ので、総合的にそちらの方が良い、ということなのだろう、と思うことにします。
直前MCであえて、「(2日目)ただ振り絞って歌った」と語ったことからも、一生懸命やるしかなかった歌い方から9年弱、3人のハーモニーの中での『独唱』を模索した結果、と思うようにします。

この“ARIA”の後半の造語コーラスあたりから、3人の動きも少しずつ大きくなり…
7曲目“sprinter”。
8年前は、ラストの定番曲だったこの盛り上がり曲が、この位置で歌われるのはとても新鮮。
渾身の歌!という感じで力が入る終盤やラストと異なり、Hikaruが嬉しそうにぴょんぴょん跳ねているのが印象的。

続く“fairytale”。
虚空に手を伸ばし何かを探す動きからの、幻想曲。
かつてはリリカルな印象が強かった歌が、3人の声の深まりとともに、果たせぬ何かを求め続ける人生の歌として深みを増している。

間を空けずに“seventh heaven”。
終盤、希望の光のようなWakanaの歌声に、HikaruとKeikoが寄り添っていくクライマックスが美しい。

ここまで来れば当然次は、“snow falling”。
イントロのピアノから歌い出しまで、Wakanaはためにためて、第一声。
そのゆったりとしたリズムが全体を覆い、ラスト前、
H♪falling snow♪~ピアノ~
(長い長い間)
W♪雪が溶けた朝にはきっと♪
の長い長い間の静寂さえ、観客がうっとりとする余韻として昇華されていた。
“with Strings”で積み重ねてきた成果がここにある。

そしてラストは待ってました「アレルヤ」。
主旋律を歌うKeikoは昨春の“with Strings”あたりから、この歌の歌い方を毎回変えてくる。
ある時は情熱的に。ある時は哀しみにあらがうように。ある時は応援メッセージのように。ある時は喜びを爆発させるように。
昨夏の「めざましライブ」での、「(藍井)エイルに届け!」と叫んだ時の、祈りと願いを全力で込めた、ソウルフルな歌声は圧巻だった。
そしてこのO-EASTでは、ひたすらまっすぐ、希望の歌としてまっすぐに歌い上げていた。
「劇場版 空の境界」で誕生したKalafinaの歩みを、ひとつずつ丁寧に再現するセトリの締めくくり。誠実に臨んだ印象だ。

K「歌えました!『空の境界』第1章から順番通り!」
W「マニアックですね!」
H「ファンのみなさんとだからこそできるセトリにしたくて。やってよかった!」(大歓声)

③MC2~Anniversaryクライマックス!

1.恒例!今年の抱負!

ここで、MCは恒例の「今年の抱負」。
W「みなさんの前で抱負を聞いてもらおうの会、ですね!会員ナンバー1番、行きます!」と笑いをとった後で、
W「音楽と幸せと笑顔があふれる1年にしたい。もうあふれまくりで。笑うっていいよね。昨日も家でひとりで笑ってたんだよね。たくさん空の写真も撮りたいな。あと、ブログを書くぞ!(握り拳)」
K「ラジオで『女の子を捜す旅をしたい』と言ったら、誤解されてるみたい。癒しを探しに行くと、偶然、癒しポイントに女性がいるんだよ。旅先でのマッサージの店員さんとか。自分の見聞を広げるためにいろんなとこへ行きたいし。…その先に女性が待っててくれるといいな~!(会場に)女子~!(ハーイ!)いいね~(ニマニマ)」
H「ではHikaruは優しさを発揮して………男子!!!!(ウエエエエエエエイ!)いいね、ちゃんと見てるよ。目標は『自分と向き合う』。あのころの自分はあーだったとか、自分を見つめることは大事だよね。まあ真面目な話はおいといて、アニメをたくさん見ま~す!今も20本くらい見てるよ!アニメ好きな人?(はーい!)じゃあ『歴史秘話ヒストリア』見てる人?(はーい!)Hikaruも『ヒストリア』好きなんだけど、お仕事で関わったことが趣味になることが多くて、趣味が年々増えるんだよね。」

2.新曲「メルヒェン」披露!

そしてアニメが好きなHikaruが、新曲「メルヒェン」がかかるOVA「クビキリサイクル」を紹介。
H「天才が集まる島があってね、わー!事件が起きたー!で、解決するぞー!…ってお話。」(爆笑)

この話の間に、ステージにはKalafina初の「お立ち台」が3つ。
K「さあ、ライブハウスなんで、ここからじわじわと上げていくよ!」
(大歓声)

そして新曲「メルヒェン」。
リズムの強い、メイハリとエッジの効いたダークな曲。
西尾維新作品にふさわしい癖の強いメロディに加え、赤と緑の照明の下、お立ち台で踊るKeikoの後ろ姿が艶めかしすぎる。
春からのツアーが楽しみである。

3.ライブハウスバージョン、炸裂!

そしてここから怒濤の後半へ突入!
なんと1日目、2日目でセトリのコンセプトを大きく変えてきた。
1日目は、かつてのライブハウスを思い出させる初期中心のアッパー曲!
「また風が強くなった」→“progressive”→“Kyrie”→“identify”→“heavenly blue”
2日目は、近年のホールライブの後半で盛り上がる鉄板曲!
“to the beginning”→“magnolia”→“destination unknown”→“identify”→“One Light”

特に印象的だったのが、1日目の“progressive”。
最近のライブでは滅多にやらなくなったが、初期の持ち歌が少ない頃には貴重な定番アッパー曲だった。
が、今ひとつファンの反応がよろしくなかったのか、シングル曲だったにも関わらずベストアルバムにも入らない不遇にあっていたが…た、楽しいじゃないか!
かつては勢いがありながらも妙なカタさを感じる曲だったのだが、成長した3人が醸す余裕なのか、聴くこちら側の新鮮さなのか、流れるようにノレる曲へと変貌していた。
KeikoとHikaruが楽しそうにぴょんぴょん跳ねていたのが印象的だった。

このパート、とにかく慣れた観客のノリ具合も尋常ではなかった。
正直、「おいおいリズム速すぎるぞ」と感じることさえ多々ある、前のめりな声援。
特に2日目は、Kalafina生誕日は平日であろうが駆けつける猛者たちが揃ったせいか、過剰に反応が良すぎ。
アーティストが煽って観客がヒートアップするのではなく、観客の勢いがアーティストのテンションをアゲまくり、それがさらに観客をノセるという加速的展開。
まさに、ファンと一緒に創り上げていくライブ。
Kalafinaの他のステージ…ホールライブでもアリーナライブでも見られない、まして“with Strings”とは同じアーティストとは思えない、Anniversary LIVEの醍醐味だ。

(1日目)K「みんな見えるー?スタンディングは床がフラットだから、アンケート読んでたら『今日は右手しか見えませんでした』みたいなのがあって。だから今回は、お立ち台を作ってもらいました!」
(2日目)K「男子ィー!?」(ド太い声:ウエエエエエエエエエエエエ!!!!)K「女子ィ-!?」(超ハイトーン:イエエエエエエエエエエエエエ!!!!!)K「イイッ!!!!」

そしてバンドメンバー紹介も、勢い全開。
H「on Bass 高橋Jr.知治ゥ!」「on Violin 今野ヒトォシ!」「on Piano 櫻田泰啓ァ!」
W「on Drums 佐藤強一ィ!」「on Guitar 是永巧一ィ!」と、後ろに小さな母音が付くノリ。
そして…W「on Manipulator 大平ァァァァァァァァ佳男ォ!」
「ヨオオシオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!」
とんでもないほど空前のヨシオコールに、なぜか手拍子が起き、Keikoは「いいもん!嫉妬なんかしてないもん!」と拗ね芸を見せる、もはや何が何だか分からない宴会ノリ。

4.発表!“into the world”「メルヒェン」発売決定!

この勢いのままKeikoから、「メルヒェン」と「歴史秘話ヒストリア」のエンディングテーマ“into the world”が4月5日に発売されることが発表。
大歓声で迎えられるなか、
K「では最後に、その“into the world”をお聴きください。」と、流れるようにラスト曲へ。

地図のない旅、まだ見ぬ未来へとひとりで決然と旅立つ歌。
アッパー曲からの勢いを途切れさせず、お祭り騒ぎ直後の熱量を力強さへと転換しながら、壮大に歌い上げていく。

一切の飾り気のない演出。
3人がそれぞれ真っ直ぐ前を見つめ、凜々しく心豊かに歌うその姿が、Kalafinaの現在形としてとても好きだ。

④熱気のアンコール~爆笑のグッズ紹介

1.盛り上がりがスゴすぎた2日目

深いハーモニーで曲が終わり、メンバーたちはいったん下手にハケて本編終了。
フロアからは間髪を入れず、アンコールの拍手。

東京の会場はなぜか、アンコールの手拍子が徐々に前ノリになってテンポアップ→間を取って修正、という現象が起きるのだが、今回はさらに顕著。
最近では珍しい「アンコール!」のかけ声が起きて、リズムが一定になるかと思えば、そのかけ声すら無効化するような前ノリ→修正を何度か繰り返しているうちに、再びステージに照明が点いて大歓声。

勢いのあるovertureから、待ってましたの是永ギターのイントロ!
K「O-EAST準備は良いいいいいいい!?」
これがなくてはライブハウスver.は、そしてAnniversaryは終わらない。
「音楽」!

まさにパーティーのような定番ムーブから、“blaze”へ。
わずか2曲なのに会場のボルテージは沸騰状態で、2日目は歌い終わるや
K「あっちー!!」
W「すごいよ!蒸気で前が見えないよ!」
めったにないことだが、Keikoの髪は汗でぺったりと張り付き、おでこが出ている状態。
これも昨夏の「めざましライブ」以来のヒートアップぶりを物語っていた。

2.これまた2日目が奇跡のグッズコーナー!

この熱狂をそのままHikaruが引き取り、イヤモニを外すや、
H「ここからは、みんなと作ってきたコーナーだから、イヤモニはいらない!」

泣かせるセリフで、グッズコーナー、スタート。
ライブハウス時代のグッズを再現することがテーマだと、各種グッズを紹介していくのだが…。

1日目はなんと言っても、トートバッグ紹介。
少し大きめというトートバッグのサイズを紹介するために、
H「この前の部分がね…」(突然マイクを離し、手で大きさを示しながら)
「(地声)これくらいのー!」
と叫ぶのが、とにかく可愛い。
このライブハウスならでは可能な演出を、トークの端々で
「(地声)これくらいの-!」
と差し挟み、そのつど観客とのマイクを通さないアクセントを生み出すのだから、みごとである。

そして2日目は、スタッフまでがパーティーノリに加わって大当たり。
いつもは、グッズを紹介するHikaruを、遠くから並んで見ているW&Kがいちゃいちゃリアクション→これを観客がこっそり注目するのが裏面的見どころになっているのだが、なんと今回は会場モニターがW&Kを映し出すという掟破りに出た!
大写しになって焦るW&Kに観客爆笑!
気づいたHが、「なぜか2人が抜かれているという(笑)でもそれで良いと思う。そのままお願いします!」
Kが画面からフレームアウトし逃げ出すと、やがてWも追っかけて、フレーム外で2S。
モニターは再びHを映し始めるが、グッズ紹介を続けるうちそれに気づき、
H「あれ?なんでHikaruが映ってるの?」
とたんにW&Kに切り替わるモニター!
観客からは、まるで学校内のカップルをはやし立てるような歓声www
H「みんなこれを求めてるんだよね。知ってる!Hikaruがしゃべってる間のイチャツキを見てもらうコーナーなんだよね。HikaruのしゃべりはBGMですよ(苦笑)」
もう会場は大爆笑!
笑いと諧謔で観客の心を自在に操りまくりである。

さらにトークを続けていると、なんとW&Kを映していた会場モニターの右下に、ワイプでHikaruが映し出された!
会場のどよめきで気づいたHikaru、
「すごいよー!Hikaruがワイプだよ-!」(大爆笑!)
H「映像さんすごいよー!ありがとう!……というわけで、以上です!」(大歓声!)

年に一度のパーティーならではの、ノリノリ映像技術スタッフのファインプレー。
ただあまりの衝撃に、グッズ紹介の感想を言う役割のWakanaが、トークの中身を全然聞いていなかったというオチまでついた。

グッズ紹介を受けて、Wakanaからは昨秋の日本武道館公演のブルーレイ、DVDの紹介。
Wakanaの姪っ子(2歳・“Red day”で「ひかりふる」を歌っていた頃に生まれたらしい)は、ライブ映像を見ながらttbで「アイ!アイ!」「わかなちゃん!」と盛り上がるエピソードを披露。
これにKeikoも「ウチの2歳の姪っ子も、ライブ見ながら「『けえたん』と言えなくて、『てったん!』て言うんだよ~!たまらん~!」と、姪っ子自慢する叔母2人。
W「というわけで、2歳児でも楽しめるライブです。」(爆笑!)

⑤アンコールⅡ「みなさんのためだけを!」
~まさかのダブル…!?

1.「あなた」「君」のためのラスト曲

笑いも収まったところで、Keikoが締めへのMCへ。
K(2日目)「今回のライブも、ファンの皆さんが何を求めているんだろう?何をすべきなんだろう?って3人で話し合って。新年の最初のライブだから、新年会みたいな?(笑)そんな心が温まるライブにしたいな、と思って作ってみました。」

そして最後の2曲へ。
1日目は、「真昼」。
2日目は、「やさしいうた」。
最後の曲は、2日間とも共通で「五月雨が過ぎた頃に」。

どれも、「あなた」や「君」のために歌われる歌だ。

「真昼」
♪空の高みを見つめながら
貴方の側を歩いている
古いかなしみに陽の当たる
真昼を何と名付けよう♪

♪貴方の中を泳いでる
赤黒黄金の魚たち
ふいに水面に踊るように
綺麗なこころが見えてくる♪

Wakana「希望としてはリハで熟成させて、初日にそれをお届けしたいんですよ。でもお客さんの前で何度もやるうちに自分たちが心地いいと感じるところにハマってきて、ここだ!と気付く。(中略)それが、曲に対する気持ちがかわってくるということに繋がりますし。」(Kalafina with Strings Christmas Premium LIVE TOUR 2016 パンフレット)

「貴方」と一緒に歩みながら、Kalafinaの音楽を探し、見つけ、作り上げてきた歓び。

「やさしいうた」
♪おんがくを探して
真っ白な地図を広げて
まっすぐに
ただ素直に
歌いたいだけ♪

♪まだ誰も知らない
やさしいうた
明日口ずさむ
やさしいうた
君に届け♪

Hikaru「この歌の中にある優しい気持ちとか、人に触れるためにそっと手を伸ばす、そういう気持ち。ただ一方的に言いたいことを言うんじゃなくて、相手がいて、その相手と一緒に自分がいるっていう、そういう暖かさが『やさしいきもち』にありますよね。だから、そこにいるあなたにしゃべっているように歌いたいと思ってレコーディングに臨んだんです。」(Kalafina with Strings Christmas Premium LIVE TOUR 2016 パンフレット)

一緒にいる「君」のために音楽を届けたい、という、歌を歌う原点のきもち。

「五月雨が過ぎた頃に」
♪未来のような何かを
僕たちは夢見てる
君と声を合わせたら
もっと遠くに響いた♪

♪五月雨が過ぎた頃に
君が笑っているように
誰にも見えない花を
君の近くで咲かせているよ♪

Keiko「それこそ誘われて、とかいろんな人がいらっしゃるわけですよ。そんな方に“ここには何て良い音楽があるんだろう!見付けた!!”と思って頂いたり、いつも聴いてくれる方が“きてよかった”と感じてくださるような、心地のいい空間を作りたいんです。足を運んでくださった人の心を汲みたいんですね。」(Kalafina with Strings Christmas Premium LIVE TOUR 2016 パンフレット)

曲を聴いた「君」が、見つけてくれる、喜んでくれる歌=見えない花を咲かせたい、という想い。

曲の最後、♪ラララララ… は会場のファンとの合唱。
それはKalafinaとファンが夢見る「未来のような何か」。
一方的にKalafinaがファンに伝えるのではなく、ライブ活動を本格化してから8年、ファンと一緒に作り上げてきた音楽を、もっと遠くへ響かせようという夢。

Hikaru「Kalafinaのライヴってどうやって創っていけばいいんだろう?という迷いみたいなところからスタートして、(中略)直接お客さんの目を見て、反応を感じて、やりとりをしてきた中で今のKalafinライヴがあるんですね。だからライヴに参加してくれた皆さんと一緒に創ってる道の途中でもあって。今日できるライヴに全力をかける。それが“今のKalafina”を届けるライヴだと思っています。」(Kalafina Arena LIVE 2016 パンフレット)

2.そしてKeikoが…

深い余韻を残し「五月雨が過ぎた頃に」が終わり、再びのバンドメンバー紹介。
さらに絶叫というか咆哮に近い「ヨシオオオオ!」コールから、カーテンコールへ。

おなじみ「未来」がかかるなか、ひとりずつ挨拶。
W「(2日目)10周年まで一緒に駆け抜けましょう!」
H「(2日目)歌いはじめ、みんなと創れて最高でした!」
K「(1日目)今年は“9+one”で濃ゆい時間を創ります!」
そしてKeikoは2日目には、

「今年は、みなさんのためだけを考えた1年にしたいと思ってます!」
と笑顔で宣言。
会場がどよめくなか、3人は退場。
最後のWakanaは、定番の投げキッスを3連発!という、プレミアムぶりだ。

みなさんのため「だけ」を考える。
笑顔でこれを言うのは、かなりの覚悟だ。

Keiko「正直こんなにKalafinaの音楽を愛してくれて、待っていてくれる人がこんなにも居るんだと思ったら、今年この人達のために生きようと心から思いました、魂をそこに置いてこようと。」(SPICE 「シンプルになっていくための勇気」9周年記念ライブ終演後に独占インタビュー 2017.1.29 http://spice.eplus.jp/articles/101777)

「魂をそこに置いていこう」とまでKeikoに思わせた、運命のライブ。

この2daysを一緒に創り上げたファンもまた、今年は覚悟を迫られる1年になるな、とか思いながら席を立とうとしたところ、異変が…。

3.ファンとKalafinaが創ったダブルアンコール!

公演終了のアナウンスが流れ、客電が点き、観客からも締めの拍手が起きたにもかかわらず、「未来」にあわせて手拍子が止まらない。
「未来」のリズムがまさに「アンコール!」のリズムに近いためかと思ったが、曲が終わっても観客が手拍子を止めないのだ。
「今回のライブの勢いならもしかして…」という、観客完全主導のダブル・アンコールの要求だ。

昨夏のArena LIVE2016千秋楽のダブル・アンコール“sprinter”は、公演終了アナウンスも客電点灯もない状況=予定されたサプライズだった。
しかし今回の状況は、係員による退場誘導まで始まり、後方のお客さんはロビーへとぞろぞろ出始めている。
会場にとって完全に「終了!」に入っており、ここでアーティスト側が余計な延長をすれば、会場によっては信頼問題にかかわりかねない。
けっして褒められるべき行為ではないが、それでも期待を抱くファンの心理はよくわかる。
「今日なら、もしかして…」
祈るようなファンの手拍子と、帰りを促す係員の声が交錯するなか…。

ステージに照明が点いた!
そして、3人がステージに駆け込んできた!

会場は割れんばかりの大喝采!
それに気付いて場外からあわてて戻る観客たち。
これが本当のハプニングであることは、駆け込むKeikoの背中のファスナーを、Hikaruが追いかけながら上げていた(ように見えた)動きからも明かだ。

K「もうイヤモニも外しちゃったし-!!!」
W「ああああ!戻ってくるお客さんが!ありがとう!」
ファンヘの感謝と驚きの声を上げる3人。

そのなかでKeikoは意外と落ち着いた対応。
拍手に応えてステージに戻る!と決意した瞬間に、対応は考えていたのか。
K「大橋さん!(Kalafinaライブ守護神のPAさん)『未来』かけてよ!上から歌うよ!バンドさんいないし。歌詞間違えたらゴメン!」
「ウオオオオオオオオ!」という大喝采に続いて、もう一度「未来」が最初から流れた。

ボーカルありの曲の上に、さらにライブで歌声をかぶせるという、少しズレたり歌詞を間違えたらモロバレという危ない橋を、3人はリハもなしの即興できっちりと歌いきった。
こんなシチュエーションで改めてkalafinaの力を思い知るとは!

そして最後に
K「今度はバンドでの『未来』を聴きに来てね-!」
絶妙の「引き」のコメントで、気持ちは4月からの“9+one”ツアーへ。
3人は今後こそ完全に、下手に消えた。

どの観客も、「スゴイものを見てしまった!」という熱気で満たされている。
毎年そうだが、この満足感はライブハウス、しかもAnniversary LIVEならではだ。

こうして始まった、Kalafina10年目の年。
Kalafinaは、私たちに何を魅せてくれるのだろうか?
私たちは、Kalafinaとともに何を創っていけるのだろうか?
その先に、いったいどんな10周年がやってくるのだろうか?

これまでとは違う覚悟の、そして、これまでと全く同じように、一緒に創っていく10年目が始まった。

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コメント

  1. 正和 より:

    いつも拝見しております。

    去年頃からkalafinaの音楽を聴き始め、ライブに通いだした新参者なので、とても貴重な情報や楽しさを教えてくださる管理者さまにとても感謝しております。

    1. wakakekohika より:

      正和様 当ブログにおこしいただき、誠にありがとうございます。最近、ようやく時間が取れるようになりましたので、また更新をしていこうかと思っております。今後ともよろしくお願いいたします。

  2. たけちゃん より:

    今年の初更新ですね(^_^) 首を長くしてお待ちしていました。いつもながらKalafina愛が溢れるライブ・リポートですね!さすが!!私も1月22日の初日の方に参加しましたが、読みながら当時の状況をリアルに思い出すことができ、嬉しい限りです。4月からの9+ONEのリポートもよろしくお願いします!

    1. wakakekohika より:

      たけちゃん様 諸事情でなかなか更新できず、申し分けありません。9+ONE、最初の松戸2DAYSは参加しましたが、今回はある程度進んでからネタバレに気をつけつつ書くつもりですので、よろしくお願いします。

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