カジウラーのカジウラーによるカジウラーのための梶裏祭2~11/3 Zirco Tokyo~

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《目次》
1.プロローグ:歌い継がれる梶浦曲とは?
2.ライブハウスでサントラ・オンリー!の奇跡~FEM(Front Ensemble Members)~
3.まさかの衝撃!“Materialise”!~AfterJunction~
4.FJ YUUKAがまた見たい!と浸りに浸る~にゃんまーに!~
5.彼方にこそ栄えあり!届かぬからこそ挑むのだ!~Anifalak~
6.エンディング:カジウラーであることの幸福

1.プロローグ:歌い継がれる梶浦曲とは?

かつて梶浦由記は、ライブのMCでこんな趣旨のことを語ったことがある。
私は、自分の曲が歴史に残る、とか目指していない。
ただ、私が死んだあとで、仕事に疲れた人が帰宅後、お風呂に入っている時にふと口をついた鼻歌に、「あれ?誰の何という曲だっけ?」と思いを馳せてくれれば、それでいい、と。

そんな梶浦由記の曲を、鼻歌どころかガチにコピーして演奏する、梶浦由記楽曲オンリーイベント、“Kaji Fes.”の裏バージョン「梶裏祭」の第2回が開かれた。
会場のZirco Tokyo(新宿)、キャパ250人は「完売」である。

スタンディングのフロアに詰めかけた客層は、男女比6:4。
年齢層やファッションを見ると、普段のFJやKalafinaファンのなかから「音楽を自分でも演奏します!」的な人々を抽出した印象だ。
梶浦リスペクトのコピーバンド4団体による「梶裏祭」第2弾は、午後5時、ほぼ定刻通りスタートした。

2.ライブハウスでサントラ・オンリー!の奇跡~FEM(Front Ensemble Members)~

トップバッターは、FEM(Front Ensemble Members)によるSound Trackカバー。
何とライブハウスのステージに、タキシードに蝶ネクタイといったフォーマル・ファッションのミュージシャンが14人!
弦が5人にホルンが2人、パーカッションにサックスまで並ぶ光景は、圧巻のひと言。

オープニングは、ホルンと弦による壮大な“survive the swordland”(ソードアート・オンライン)!
「おいおい、ホントにこれライブハウスのコピーバンド・イベントか!?」という雄大な曲から始まり、流麗なアップテンポ“Aerial fight”、アイリッシュな“March down”、そして全楽器が怒涛のように畳みかける“gunland”と、「ソードアート・オンライン」から4曲。
「壮大な序曲」「スピーディーで美しい旋律」「民族調」「バトル曲!」と梶浦エッセンスの美味しいところをのっけからバランス良くチョイスして、観客に投げつけてくるという、「カジウラーよ、泣け!」な幕開けである。

MCではキーボード(梶浦担当)のしおんさんが、
「この会場にいらっしゃる誰かひとりが欠けるだけで、ライブは違う物になってしまいます。
観客の皆さんも、このライブを一緒に作ってくださる、大事なメンバーです。」
と、梶浦さんの定番MCをゆったり口調でコピーするという念の入れよう。

続いて「.hack//Liminality」から“Sweet memories”、「ツバサ・クロニクル」から“1&0 City”と、なごみ系の名曲をはさんで、なななななんと、本家のライブでも演奏された記憶が無い(やってたらごめんなさい!)「Fate/Zero」の号泣曲“you are my king”!!!!
おおお、見える!見えるぞ!偉大なる王イスカンダル最期の前進が!!!

一転して、本家FBM(Front Band Members)ライブの定番であるドラム無双“Numquqm vincar”(魔法少女まどか☆マギカ)で、梶浦ワールドのダークサイドに突入するや、ダークファンタジーといえば!で「忘却録音-when the fairy tail ends」「殺人考察(後)Ⅱ-into the light」と、「劇場版『空の境界』」より各曲の一部を演奏。

ここまで、ステージ上はやや緊張した面持ちでの演奏だったが、メンバー紹介ののちに「最後の曲!」と告げられると、みな一斉に楽しそうな笑顔に変わった。
オープニングを務める重圧を笑顔で吹き飛ばし、最後の曲はお祭りビッグバンド感満載な“hit it and run!”(エル・カサド)
これまで本家“Yuki Kajiura Live”でも登場したことのないサックス(jonirinさん)が、本家ライブよりもCD原曲に近い再現性を実現するという、恐ろしいノリノリで派手に重厚に締めくくり、終了!

バンド転換のための幕が閉まるや、フロアは「すごいねー」といったどよめきで満たされる。
「カジウラーのカジウラーによるカジウラーのためのお祭り!最初から最後まで、ステージも客席もボルテージMAXの一夜にしましょう♡ 梶浦楽曲はいいぞ( ˘ω˘ )」(イベントHP)と事前の意気込みを語った通り、いきなり「ボーカルなしサウンドトラック・カバー」という奇跡の難関オープニングの役割を、見事に果たしたFENさんであった。

3.まさかの衝撃!“Materialise”!
~AfterJunction~

続いては、AfterJunctionによる、FictionJunctionカバー。
イベントのHPによると、
普段 AJ メンバーの多くが After Eden という Kalafina コピーバンドで活動していますが、ひそかに「いつか FictionJunction やりたいね」という夢がありました。それが今回、梶裏祭の大舞台で実現することになりました!
とのこと。

“overture”のなか、ステージ上は4人の歌姫にギター、ベース、ドラム、ピアノ、マニピュレーターと、本家FJライブからバイオリンを除いた編成。
1曲目は、“luminous sword”(ソードアート・オンライン)。
何と恐るべき高音再現性!
WAKANAパート(あーやさん)とYURIKO KAIDAパート(ほのさん)の、ステージ下手の2人がいきなり観客の度肝を抜く。
ライブが始まっておよそ50分、初めてボーカルが流れ始めるや、先ほどまで感嘆の声と拍手で応えていた客席が、急に「いえー!」「ひゅー!」「ハイ!ハイ!」と右手突き上げ系に変わるので、カジウラーは良く訓練されている。

今度のMCは、ステージ最上手のマニピュレーター・大平さんパートのかわとさん。
「メンバー紹介!まず自分に近い方から、WAKANAパートの…(客席:え~~~!)おっと、梶浦さんもこういうウカツを良くやりますので、それも真似てみましたwww」
それぞれのメンバーに「冬といえば?」と、お題を出して、その答えを個性として紹介する形式もコピーして、続いての曲。
名盤“FICTION”ではEmily Bindigerがボーカルなので、YKライブをベースとした編成の、悲壮感あふれる名曲“vanity”。
4人のハーモニーが疾走感と緊迫感をあおる“Bloody rabbit”(PandoraHearts)と、まさにFictionJunctionライブの王道曲を重ねていく。

そして、まさかの“Materialise”(舞-乙HiME)!!!
ライブでもスペシャル中のスペシャル扱い故に「ラスボス」と称されたオペラ歌手・笠原由里(新南田ゆり)さんがオリジナルを歌い、笠原さんがいない時はYURIKO KAIDAが歌う、超絶ハイトーン「ヨーホヒーッ!」を、何度も書くが、「ライブハウスの!」「コピーバンドの!」イベントで再現するとは、何なんだ!これは!!!!!
さらにKEIKOパート(あやとさん)の低音ががっちり押さえ恐るべき再現性。

続いて“Sweet Song”(XenosagaⅡ)で、KAORIパート(はみぃさん)が伸びのあるソロを聴かせ、FJライブのエンディング感を盛り立てる。
まさに王道FJライブ。
「キタコレ!」の連続に興奮する観客に向かって、MC(かわとさん)、
「まるでイントロ当てクイズをこんなに大勢でやっているのを、ステージ上から見ているのはとても楽しいです!」
「梶浦さんパートのちゃぱさんは、ホクロの位置が梶浦さんと同じなので選ばれました。」
と、笑かしながら、
「次で最後の曲です。(観客:えー!!!)」

ここまで再現されたら、ラストはゾディ(zodiacal sign(アクエリアンエイジ))か?ゼノ(The Image Theme of Xenosaga Ⅱ)か?etc.と期待する中、「最後はこれで行きます!“stone cold”!」で、おおおおおおお!そう来たか!と。

本家でも「アンコールのオーラス、みんないくぜ!」とばかりの、キャッチーな“stone cold”(セイクリッドセブン)で、ステージもフロアも振り付けつきノリノリ!
歌姫4人のフォーメーションや、KEIKOとKAORIが背中合わせで歌うムーブもそのままに、ラストの締めは(遠慮がちに)ジャンプ!
と、全編にわたって「FictionJunctionライブを再現するぞ!」という気合と実力に満ちた、AfterJunctionさんでした。

4. FJ YUUKAがまた見たい!と浸りに浸る
~にゃんまーに!~

3番手は、「にゃんまーに!」のFictionJunction YUUKAカバー。
「梶浦由記氏の手がけるアーティストを幅広く愛し、今までKalafina、FictionJunction、See-Sawなど数多くの曲をライブで披露。(中略)今回はVocal彩にスポットを当て、FictionJunctionYUUKAの楽曲をお届けします。」(イベントHP
今回のイベントで素晴らしいと思ったのが、こういうリスペクトバンドが集まると「うちが○○をやりたい!」とかいろいろあるのだと推測するが、役割を徹底して、4バンドで梶浦由記のエッセンスをまんべんなく表現しようとしている点だ。
そういう意味で、ハーモニー重視のFJやKalafinaもレパートリーにある「にゃんまーに!」さんが、ソロで梶浦メロディーの美しさを表出するFJYを担当するというのは、とても重要な役どころだ。

ステージ上は、演奏陣がギター、ベース、キーボード、バイオリン、ドラムスと、本家YKに近い編成に、ボーカル(彩さん)、コーラス(阿木さん)、コーラス&ピアノ=梶浦さん担当(とみーさん)という、変則編成。

注目の1曲目は、“aikoi”(ツバサ・クロニクル)。
本家ライブでは、YURIKO KAIDAとHikaruの「姉妹コーラス」の可愛らしさが評判のコケティッシュな人気曲だ。
YUUKA担当の彩さんの芯の通ったソロ・ボーカルが響き渡り、コーラスが支えるという、4人のFJとは異なる世界が広がる。、

続いて、エキセントリックなイントロに、疾走する悲壮感に感嘆するボーカルの“cazador del amor”(エル・カサド)。
叙情感あふれる前半から、繊細で力強さへと転じる「暁の車」(機動戦士ガンダムSEED)。
切ない思いを切々と歌い上げる「瞳の欠片」(MADLAX)と、ソロ・ボーカルならではの歌詞とメロディのシンプルで奥深い世界へと誘われる。
「ああ、YUUKAいいな~。またライブ聴きたいな~」と、痛切に思わせてくれる展開。

そしてなんと言っても、歌唱と演奏のレベルが高い!
特に音楽ド素人の私にとっては、ヴァイオリンのsiunさんの今野師匠再現性の高さには、「驚愕」という言葉しかない。

あとで知ったことだが、このイベントにはプロの方も参加なさっているそうで、社会人のみなさんとプロの皆さんの、気合と情熱と愛情とテクニックが渾然一体となった楽曲がほとばしっている理由はそこか!と。
カジウラー演奏再現クラスタの、何と気高いことよ。
(参考:Anifalakゲスト参加のヴァイオリン:ウサコさんのブログ)

MCは、ごめんなさい!どの位置で入ったかメモをし忘れ、さらに人の頭越しで誰が話しているか確定できず<(_ _)>
メンバー紹介はやはりお題付き。
「梶浦さんが関わったイチオシ・アニメ」を挙げる上、作品が新しい順に紹介するというオプション付き。
結果、今なお最新の作品が続く「ソードアート・オンライン」から、「成恵の世界」(2003年・エンディングテーマ:千葉紗子「アイスクリイム」詞・曲・編曲担当)という、年齢層の幅広さと共に、マニアック度が沼にはまるという、恐ろしいMCである。

4曲目、爽やかな広がりを感じさせる“inside your heart”(MADLAX)に続いて、待ってました「にゃんまーに!」というバンド名で、これをやらいでか!な“nowhere”(MADLAX)!
コーラスの力強い「ヤッラーヒヤッラーヒヤッラーヒヤイーヤ!」にフロアも唱和し、新宿地下を呪文空間に変じさせた末に、最後は“silly-go-round”(.hack//Roots)で華やかに!
コーラス部分での、身体の前で手を丸くワイパーさせる振りもそのままに、楽しく可愛く激しく終了!
幕が閉じたあとのフロアが、「騒然」という驚きに満ちた空間になっていたことが、その凄まじさを物語っていた。

5.彼方にこそ栄えあり!届かぬからこそ挑むのだ!~Anifalak~

そしてトリは、主催であるAnifalakのKalafinaカバー。
開幕するや、怪しげなドラムスの低音が響き、イントロ当て正答率ハイスコアな“メルヒェン”(クビキリサイクル)。
Kalafinaが新曲を出すや、すぐにそのコピーをネット上で披露するAnifalakならではの、即応性と再現度に感嘆。

Wakanaパート(紫(ゆかり)さん)、Keikoパート(ぴゃあさん)Hikaruパート(おKさん)歌姫3人に、ギター、ベース、ドラムス、キーボード、バイオリンに、フルート、パーカッション、チェロ、(あれ?Prg:やいれすさん、となってるけど、すみません!Prgって?どなたか無知な私に手助けを!)という、本家でも日本武道館とかでのスペシャルサポート扱いの楽器を揃えた面々だ。

しかも衣装も、アリーナツアー2016のオープニングの和装仕様!
1年半前のワンマンライブであつらえた豪華再現度で、見る者を圧倒する。
(詳細なバンド紹介は、ワンマンライブのライブリポートに)

当然、Wakanaパートによる「Zirco Tokyoへ、ようこそ~!」から始まるMCでは、「(衣装のせいで)暑い暑い!」を連呼し、改めて「カジウラーのカジウラーによるカジウラーのためのお祭り」というコメントを経て、2曲目は“Magia[quattro]”(魔法少女まどか☆マギカ)!
無印“Magia”ではなく、バイオリンとチェロがいる編成ならではの「マギトロ」で攻めれば、続くは最新曲「百火撩乱」(活撃 刀剣乱舞)でさらに攻めまくる。

4曲目では、なんと和装をその場で脱ぎ捨て、衣装チェンジ!
本家「9+one」ツアーの衣装を外部発注で完全再現する(いくらお金かけてんだ!?)という、力の入れよう。
歌うは「テトテトメトメ」、南流石バージョン振り付けつき!
MCを挟んで“monochrome”(同バージョン)と、まさに振り付け完コピで踊る踊る。
実際のところ、私は南流石さんのパキパキした振り付けはKalafinaにあっていない、と思っているが、本家ほどパキパキとしない、ある種のゆるさが、逆に「曲にあってるじゃん」と思わせてしまう、不思議な展開。

間のMCでも「いや~、練習したね~」「このMCは、私たちが息を整えるためのものです」と、ぶっちゃけ話を3人がキャッキャしている様子は、Kalafinaコピーバンドというより、「コピーから生まれた“Anifalak”という存在」と感じるほど、存在感が強い。

続いて“identify”「音楽」と、本家の王道終盤盛り上げパターンを踏襲するや、会場中が「一条ポーズ」で燃え上がる。
その直後のMCで、3曲連続のアゲアゲ展開について「どうですか?」とステージから問えば、フロアは一斉に「う~む!」と唸る。
「いぇ~い!」でも「うぉー!」でもなく、本家との再現性や相似性に感心したのか「う~む!」と一斉に考え込むという、「なんだこりゃ?」な展開に、ステージもフロアも大爆笑!
ある意味で、今回のイベントで一番カジウラーらしい瞬間だったかもしれない。

8曲目“misterioso”で会場が明るく華やいだあとのMCでは、次回は5月下旬の土曜日に「宗教戦争!」と発表。
菅野よう子コピーバンド、澤野弘之コピーバンドと並んで、梶浦由記コピーバンドとしてAnifalakが対バンに挑むそうで、「ガチだから!血で血を洗うから!」「カジウラーとして負けられない!」と、まるで遠坂凜のような力強い宣言。

ラストは、「希望のある未来へ」と本家ばりに前振りしたが、本家じたいこういうコメントのあとで「未来」「アレルヤ」などいろいろやるよなー、と思っていたら“into the world”(歴史秘話ヒストリア)。
原曲では存在しないフルートのパートを、「赤木りえさんがもし演奏していたら」と感じさせるようなフルート(さくらさん)で表現したのをはじめ、原曲そのままではなく、その世界観を解釈し再構成するという、まさに「作曲家リスペクト」ならではの演奏。
完コピに全力を尽くすのはもちろん、そこにとどまらず、梶浦由記という届かぬ存在にあこがれ、あこがれるからこそ挑もうとする。
「彼方にこそ栄えあり!届かぬからこそ挑むのだ!」という、イスカンダル王のような人たちだな~、と感嘆しきりであった。
いかん、また脳内に“you are my king”がががが。

6.エンディング:カジウラーであることの幸福

そしてエンディングは、参加者全員をステージに…というわけにもいかないので、FEMさんのバンマス(ちあさん)と、それぞれの歌姫、総勢11人が勢揃いして“everlasting song”(エレメンタルジェレイド)。
それぞれの歌姫たちが、さまざまなパートを分けあいながら歌う展開は、「まさかのWakana3人ハモ!」といった、本家では絶対にあり得ないレアな様相を見せる豪華さ。

全曲終了してみれば、何と35曲で4時間超!(バンド転換時間含む)という、オールスタンディングということを考えると、伝説の53曲6時間超の“Kaji Fes.”に並ぶのではないか?てゆか、そこまで寄せるか?と感じながら、「カジウラーのカジウラーによるカジウラーのためのお祭り第2弾」は幕を閉じた。
梶浦愛に満ちた演者と観客のみなさん、そして超絶ドンピシャなビジュアル演出をつかさどった照明さんに、複雑怪奇であろう重なり合う楽器や歌声を調整したミキサーさんをはじめ、全ての関係者に御礼を言いたい、素晴らしいイベントだった。

最後まで楽しんだ後に感じたことは、これがコピーバンドの単なる「対バン」では無く、梶浦リスペクトの“Festival”として成立していた有り難さである。
それを可能たらしめていたのは、互いが「我こそが!」と競い合う対抗心ではなく、梶浦由記というコンポーザーからそれぞれが受けた恩恵と感謝と敬意を、「みんなで形にして表したいよね!」という思いで貫いていたのが、一番の要因ではなかろうか。

それは観客も同様である。
約250人の観客の大半を占めていたであろう、そしてステージにのぼった40人超の演者のほぼ100%に近いであろう、梶浦ファン=カジウラーたち。
それぞれが、10数年以上前から最近までの広い時間幅の中で、さまざまな作品、さまざまなシチュエーション、さまざまなユニットで、梶浦曲と出会い、ファンになり、沼にはまって、同じ日時に新宿の地下2階のライブハウスに集った。
その状況の違い、感じ方の違いを「対抗」の手段に使うのでは無く、作曲家の多様性をそれぞれの感性で楽しむ「お祭り」に昇華させる。
だからこそ、それぞれがサントラ、FJ、FJY、Kalafinaと分担して、バックボーンが異なるプロも社会人も観客も全員が一緒になって、梶浦世界にできるだけ広く深く挑むイベントを実現する。
これこそが、24年前に一流会社を辞めて音楽のプロの道へと踏みだし、その後さまざまな形で数千に及ぶであろう曲を世に出し続け、ライブのたびに「音楽への愛」を語り続ける、音楽の神に魅入られた作曲家をリスペクトするのにふさわしい。

このようなコピーバンドの活動について「本家に失礼」「イメージを壊すな」という、本家ファンの声を見かけたことがある。
しかし大事なことは、今回のイベントに集まった人々はみな、それぞれの本家ユニットのファンである一方、「作曲家・梶浦由記」のファンであり、その根幹は「曲」のファンであるという点だ。

梶浦曲が好きで、梶浦曲をリスペクトし、梶浦曲を再現したい!
鼻歌では満足できない!
カラオケでも満足できない!
ボーカロイドでも満足できない!
だって梶浦曲の世界は、もっと高く、もっと広く、もっと深く、もっと…(カジウラーの数だけ∞)

だから、とても面倒で手間のかかるバンドという形式で、ステージ上の歌姫たちの曲表現をコピーし、バンドメンバーたちの超絶テクニックに近づきたいと願い、そしてさらに自分たちなりの「曲の解釈」に挑んで演奏する。
古今東西、あらゆる名作曲家の名曲たちが、それにあこがれる音楽家たちによって歌われ、演奏し続けられることで、音楽は後世へと継がれてきた。
そして観客も、ステージ上の人々が歌い奏でる「曲」に、本家のライブと同様の声援と拍手を送る。

すべての根幹は、「曲」。
そうした音楽の原初的な衝動と、そして梶浦沼のズブズブの心地よさという、対極だか同じベクトルだかよくわからない不思議な感覚の面白さが、このイベントの魅力なのかもしれない。
そして「第3回はいつかな~?」とか、「“Kalafina with Strings”楽しみだな~」とか、「宗教戦争!カジウラー陣営に約束された勝利を!」とか、何の役にも立たないことを考え、でも「カジウラーで良かった!」と幸福感に浸りながら、新宿をあとにした。

※以上、音楽の知識がゼロに近く、イベントの内情も参加者のみなさまの心情も全く知らない私が、人の頭越しに眺めたステージの様子を記憶とメモを頼りに書きましたので、もし間違いや失礼にあたる記述等がありましたらご指摘ください!
よろしくお願いします!

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